【米国・海軍作戦本部・1940年10月7日】
海軍情報部(ONI)極東課長アーサー・H・マッカラム海軍少佐は、1898(明治三十一)年、宣教師の両親の間に長崎で生まれ、少年時代を日本の諸都市で過ごし、英語よりも先に日本語が喋れた。父の死後帰国するが22歳で駐日アメリカ大使館付海軍武官として来日。
彼が作成した覚書は、米国の衝撃的な新しい外交政策で、それは日本を挑発して米国に対し、明らかな戦争行為をとるよう企図されていた。
【マッカラムの戦争挑発行動八項目覚書】
・・・・米国と対立している日本の現状を分析すると、次のことが言える。
有利な点
(1)日本列島は地理的に強力な優位性を持っている。
(2)きわめて中央集権化された強力な政府である。
(3)厳格に管理された戦時経済体制をとっている。
(4)国民は苦労と戦争慣れている。
(5)強力な陸軍を有する。
(6)米海軍の約三分の二の兵力からなる熟練した海軍を有する。
(7)ある程度の天然資源の備蓄がある。
(8)四月までは天候により、日本近海での作戦行動が困難である。
不利な点
(1)アジア大陸での消耗戦に百五十万人が投入されている。
(2)国内経済と食糧配給が厳しく制限されている。
(3)戦争に必要な天然資源が大幅に不足している。特に石油、鉄及び綿花が不足している。
(4)欧州から資源を入手することが不可能になっている。
(5)必需物資を遠い海上交通に依存している。
(6)合衆国と欧州の市場に頼ることなく、軍事機材の生産と補給を増加させることができない。
(7)主要都市と工業地域は空襲を受けやすい立地条件にある。
・・・・われわれは、次の点でもきわめて有利である。
(A)フィリピン諸島は今もなおアメリカ合衆国が領有している。
(B)友好的で多分連合側に加わる国家の政府が、蘭領東インドを支配している。
(C)われわれと友好関係にある英帝国が、香港とシンガポールを領有している。
(D)中国の主力軍隊が今なお日本と戦い続けている。
(E)日本の南方補給ルートに対し、重大な脅威を与えることのできる、米海軍の小部隊がすでにその作戦海域にいる。
(F)米国と同盟を結んだら貴重となる、オランダ海軍の相当規模の兵力が東洋に駐在している。
現在の世論の情況からは、さらにより多くの騒動が発生しないかぎり米国政府が対日宣戦布告を出来るとは思えない。われわれの積極的な動きにより、日本が態度を変更することはほとんどない。従って、次の施策八項目を提案する。
【戦争挑発八項目】
(A)太平洋の英軍基地、特にシンガポールの使用について英国との協定締結。
(B)蘭領東インド(現在のインドネシア)内の基地施設の使用及び補給物資の取得に関するオランダとの協定締結。
(C)蒋介石政権への、可能なあらゆる援助の提供。
(D)遠距離航行能力を有する重巡洋艦一個船隊を東洋、フィリピンまたはシンガポールへ派遣すること。
(E)潜水船隊二隊の東洋派遣。
(F)現在、ハワイ諸島にいる米艦隊主力を維持すること。
(G)日本の不当な経済的要求、特に石油に対する要求をオランダが拒否するよう主張すること。
(H)英帝国が押し付ける同様な通商禁止と協力して行われる、日本との全面的な通商禁止。
これらの手段により、日本に明白な戦争行為に訴えさせることが出来るだろう。そうなれば、益々結構なことだ。いずれにしても、戦争の脅威に対応するため、われわれは十分に準備を整えておかなければならない。
十七年間にわたる公文書の調査及び米海軍暗号解読者たちとの直接インタビューの過程で著者が発見したとおり、ルーズベルトのジレンマを解決した答えは、情報の自由法に基づく請求により入手した途方もない数の文書の中に記録されている。
それらの文書には、アメリカを戦争に介入させ真珠湾及び太平洋地域の諸部隊を戦闘に叩き込むべく、明らかな戦闘行為を誘発するために計画、実施された、権謀術数の限りを尽くした措置が記述されている。
日本を挑発するために、ルーズベルトには八つの手段が提案された。彼はこれらの手段を検討し、すぐに実行に移した
。第八番目の手段が実行されると、日本は反応してきた。・・・
(ロバート・B・スティネット著「真珠湾の真実」ルーズベルト欺瞞の日々より)
http://whatreallyhappened.com/WRHARTICLES/McCollum/index.html
写真は日本への宣戦布告の署名を行うフランクリン・ルーズベルト(出典:Wikipedia)
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